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『PRRR…』
まただ。
あの電話から数日経った今、家の電話が鳴り響く。
また、アイツからなのか?
(長文日常「ある日の出来事」続編です。続きはテキストリンクより)
「…誰だ」
緊張を抑えて、決まり文句を言う。
セールスだったら良かったのだが。
『俺ッスよ、また電話するって言ったじゃねぇか』
やはり、嫌な予感程当たりやすいモノは無い。
電話の主は、あの電話の奴だった。
「…やっぱり、お前か」
『侑真サン、俺等は今緊急事態なんだぜ。力を貸して欲しい』
冗談じゃねぇ。
もうあたしは族を降りたんだ。
「今さら何言ってんだ。あたしはもう族じゃねぇよ」
『…一年前。お前が族が解散させたときの口調じゃん』
一瞬、息が詰まった。
何が言いたい、この男は。
もう昔の事だ。過去は過去、今は今だってのに。
『あ、そういや俺も結社ってのに入ってみたんだぜ。そっちはどうだ?』
「話を逸らすんじゃねぇ!」
『………』
沈黙が流れる。
私はグッと拳を握る。
一体何を言いに掛けやがったんだよ、コイツは。
『…族だったとき、侑真サンは凄かった。女のクセに、女を武器にしなかった。
上司部下関係無く喧嘩やってたな。リーダー自ら喧嘩吹っかける族なんて他にあるか?
普通、他の集団なら雑魚から喧嘩吹っかけてくるもんだぜ?』
ぽつりぽつりと、思い出しながら奴は言う。
やめろよ。んな事言ってると、嫌でも思い出しちまうだろ。
一番私が荒れていた…中学時代を。
――まさか。
コイツは「私」を「あたし」に戻そうとしてるのか?
この男ならやりかねない。
だって、コイツは、「あたし」の、
『例え族じゃなくても、俺はお前の右腕な事に変わりはねぇから』
「やめろッ!それ以上…言うんじゃねぇよ!」
『侑真サン、あんたは族に戻るべきだ。
まだ完全に解散してねぇから、アイツ等は歓迎してくれるぜ?』
うるさいうるさいうるさいうるさい。
もう「あたし」じゃない。氷室侑真は、能力者なんだ。
コイツも能力者だ。倒すのはゴーストだと、とっくに気付いてるんじゃねぇのか。
「…んだよ。あの時あたしが解散させただろ!?何で再結成しやがった!」
『甘いぜ、お前。族ってのは、簡単に解散出来るもんじゃねぇよ。今は俺がリーダーだ』
「お前、能力者だろ!?倒すのはゴーストだとわかってんだろ!?」
『俺は侑真サンの意思を繋げる。アイツ等を守る為にゴーストを片付ける』
そろそろ限界が近づいてきた。
また戻っちまうのか、昔の「あたし」に。
思うがままに暴れ狂っていた、あの頃に。
「…もう電話なんか掛けてくるな。これが元リーダーの最後の指示だ」
『本当に、俺等の所には来ねぇのか。残念だぜ』
チッ、と奴は舌打ちする。
『でも、まだ「あたし」って言ってる所、期待していいんだな?』
「…ッ!二度と『私』に電話掛けるんじゃねぇぞ!」
今度はあたしの方から電話を叩き切る。
『私』の所だけを強調させて。
いつもより少し早いが、今夜はもう眠ろう。
あんなの気にしてたら折角の学園生活が台無しだ。
だがリーダーの性なのか、奴等の事が捨てきれない。
――何時になったら、この闇から抜け出せるんだろう。
薄暗い部屋のベッドの上に倒れこんで、私は眠りについた。
――――――――――――あとがき―――――――――――
はい、また書いてしまいました。背後の黒羽です(何
あんまり不良とか暴力団とかよく知らないのに書いてしまいましたorz
しかし族って言うのは私が思う以上に過酷な世界だと思います。
ただ暴走するだけではなくて。…うー、裏社会って怖いですね(・ω・;)
次は侑真の過去に触れたいと思っています。
少し情報収集しなきゃいけませんねあはは(汗
ちなみに右腕君は早速結社に入れました。別キャラの(ぇぇぇぇぇ
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