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(久々の更新になってしまいましたが、過去話更新です。
 出会ってから約十ヶ月後くらいの出来事です。李緒編はいつもの如くまた後日。)


このときが永遠に続いていれば、私は「普通」で居られたのかもしれない。
ねぇカミサマ。貴方に一つだけ訊きたい事があるの。
――何で、私の日常を奪ったの?

「凛ちゃん!あーそぼっ!」

あれから毎日のように、李緒は私の所へ来た。
帰り際に李緒の家に寄って、遊んだり練習したりした。
偶然同じ小学校に通っていて、家も近くだったから。

「ええ。そのかわり、練習相手にもなってくれるかしら?」
「うん!今日こそは勝つからね!」

正直、誰かと遊ぶ事自体あまり興味なかった。
父さんと毎日修行しているから、それ以外の物に興味を持つ余裕が無くなった。
というより、この頃から木刀から短刀の扱い方も教わるようになったから。
けど、李緒と遊ぶことに退屈を感じない事が、不思議だった。

『凛、基礎訓練はここまでだ。次からは完全な暗殺者になる為に刀を扱えるようにな』

父さんの言葉が頭から離れない。いや、一種の洗脳だと言ってもいいだろう。
毎晩父さんと剣道や相手を瞬殺させる業を教わった。


李緒の実力もそこまであるわけでもなく、私の方が僅かに上という程度。
僅か、つまりはほぼ互角。

「…じゃあ、さっそく行くわよ」
「うん!」

互いに構えを取る。
そして、同時に地面を蹴った。

私の拳が李緒の胸元目掛けて打ち込まれる。
李緒はそれを細い腕で止め、逆に私の方へと拳を向ける。
私は避け、もう一度突きを繰り出す。
李緒は姿勢を低くし攻撃をかわして、私に跳びかかる。
私は間一髪で攻撃を腕で受け止めた。
同じような動きが絶え間なく続くこと約十数分。

「…はぁ…はぁ…なかなか、やるわね…」
「……凛ちゃんだって…すごい、よ…!…はぁ…カカシでやるより、ずっと…楽しいね…!」

互いに息を切らしながら言う。
同時に芝生に倒れこみ、同時に笑い声が漏れた。
こんなにも修行が楽しく思えるなんて。と、このとき初めて思った。

「いつも……カカシで、やってたの?」

不意に訊いてみた。
カカシなんて人形相手に練習して、こんな素早くて正確な動きが出来るものか。

「お父さん……よく、仕事がたいへんだって…でかけているから…」

返ってきた答えは…意外にも、家庭事情。
私の父さんだって殺し屋なんて物騒な職業してるし、これ以上訊く気は起きなかった。

「…ねぇ、凛ちゃん」

ようやく互いの息も治まってきたとき、李緒が急に声をかけてきた。
いつになく、どこか寂しげな声だった。

「…私たち、ずっと…友達だよね?親友だよね?」
「李緒…」
「凛ちゃんといることができて…本当に、楽しいの。…凛ちゃんは?」

話がこっちに向いて、一瞬戸惑った。
…正直、自分の気持ちがわからなかった。
今まで体験したことない、この感情が…わからなかった。

「…私の父さん、危険な仕事をしててね。将来…私も、父さんと同じ仕事をするの」

自分でもわからぬまま、呟いた。何でこんなこと話してるんだろうって自覚出来るくらい。
それでも李緒は黙って聞いててくれた。

「そのために友達なんかと遊んでる暇はないって、父さんは言ってたのよ」
「…その、凛ちゃん…ごめん。私が、友達になろうって…言っちゃったから…!」

泣き出しそうな李緒。
何で謝るのだろうかと、私は不思議に思った。
…そして、感じた。李緒は――優しい子なんだ、と。

「李緒のせいじゃないわ。…だって、今日の練習、とても楽しかったから。
 それだけじゃない。…楽しさを教えてくれたのは、親友の李緒でしょう?」

さらりと、言葉が出てきた。
李緒と…たくさん練習して、もちろん遊びにも付き合っていて。
修行ばかりしていた日々から、毎日が飽きない生活に変わっていった。
李緒の、おかげで。

「凛ちゃん…。私ね、凛ちゃんのこと、だーい好きだよ!
 私も、毎日練習ばかりさせられていたから…。友達ともほとんど遊べなかったの」
「似た者同士って言うのよ、こういうのは」

李緒は「にたものどうし…」と小さく呟いて、笑顔で頷いた。

「そうだね、なんだかにてるよね!ふふっ…あははは!」

大声で笑いはしゃぐ李緒。
それを見てる内に、次第に笑いがこみあげてきた。

「そうね…『親友』だものね。ふふふっ…ふっ…何か、笑えてくるわ」
「凛ちゃん、お腹かかえて笑ってるの初めて見た!」

指差されて言われ、初めて気付いた。
こんなに笑ったの、今まで一度もなかったことに。
――「楽しい」というのが、こんなにも心地よいものだったなんて。

「…あ、そろそろ戻らなきゃ!お父さんに怒られちゃう!」

不意に李緒は飛び起きて、玄関があろう方に向き直った。
李緒の家は広い。何より練習場にもなってるこの芝生の庭が。

「またここで練習しようね、凛ちゃん!」

元気に手を振りながら、李緒は玄関目指して駆けだした。
私も、軽く手を振り返した。


―――これが、最後の遊びと練習になるとは思いもしなかった。

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